月別アーカイブ: 2020年6月

菊千代の手拭いで マスクを作りませんか?

今回の自粛生活では、たくさんマスクを作り、販売も致しましたが、私は手縫いのため量産はできません。
皆さんの中にもいっぱい作った方いらっしゃると思います。これからの必需品マスク、個性的なデザインのものも流行っていますね。洗って縮むアベノマスクではなく自家製マスクを作りたい方に、菊千代手拭いを送料込みで1本1000円でお送りします。
色は薄いピンク色、千社札の部分を入れても入れなくてもお洒落ですよ。
菊千代ホームページにはKIKUCHIYO工房のハンドメイド作品通販ページも作りました。

そちらもどうぞご覧ください。

菊千代日々徒然/3

これからの落語会
九月のお仕事や、落語協会主催の謝楽祭も中止になりました。影響はいつまで続くのか、また収入の無い中での赤字になる自主企画をどうすればいいのか、客席を半分にしたり、フェイスシートやマスクをしての催しがいつまで続くのか、わかりません。
もう良いんじゃないと何人かで呑んだり食べたりしてもどこかに不安が付きまといます。自分が発症したらどうしようという不安です。それゆえに、平和アピール行動などにも参加できないのです。自分が渦中にいたことで、落語協会に迷惑をかけるという危惧もあります。
先日、毎年恒例の8月・浅草演芸ホールでの興業、「住吉踊り」のお稽古に行ってきました。以前のようにたくさん集まってではなく5人づつ決めて、教えて下さる立花家橘之介師匠のお稽古場に伺って、みんなで間隔を取ってお稽古です。本番も以前の半分の人数で踊るようになるので、ちょっと寂しい感じです。何よりも人数が少ないということは下手な人が目立つということなので、それも困ったものです。

今日は、これから久しぶりに人前で落語をやります。と言っても明日リモートで流すために映像を取るためです。辻信一さん率いるナマケモノ倶楽部の企画、6月19日オンラインカフェ&バーゆっくり堂のイベント「プレ・キャンドルナイト」。私も倶楽部の会員です。
そして辻さんは戸塚の落語教室【ぼちぼち亭】のお弟子さんでもあります。同じくお弟子佐野遠藤律子さんのピアノ演奏もあり、楽しみです。私が家で一人でやるのはつらいと言ったら、区民センターの和室を借りて下さり、お客さんも三人呼んでくださいました。15分のネタのためにいらしてくださるお客様に感謝です。
お客様の生の笑い声を聴いて噺家の幸せを早く感じられますように、ほのぼのとした生活のためにゆっくり活動を続けていきますので、よろしくお願いいたします。
8月8日には一門会も決まりました。是非、勇気を出して笑いにいらしてください!

お申込みやお問い合わせは菊千代まで。

菊千代日々徒然/2

変わりゆく心境
休みが続く中、まずはせっかくだからこれをやっておこうと、掃除をしたり、ズームでお稽古をするためにパソコンの位置を変えてみたり、中途半端になっていた刺子の作品を片っ端から仕上げたりしました。マスクも一杯縫いました。でもそれだけでは罪悪感と不安感が募るばかりなので、今までなかなかできなかった落語の根多の整理を始めました。手書きのノートを整理して原稿をパソコンに入れ、録音しています。
これからどんどん無くなっていくだろう記憶力の助けにもなるし、やらなくなっていた自分のネタの掘り起こしにもなります。寝る前は必ず落語を聴いて寝る。まるで普通の落語ファンみたいだなあと思いながら、昔の名人の噺を聴いて感心して寝ています。
聴いていると、昔の言葉の自由と、女性に対する物言いなど、良し悪しはともかく驚かされることばかりです。そうこうしているうちに、持続化給付金の申請が父の分まで、自力で出来たことや、また、アートにエールをの企画に申し込めたことなどが自信につながりました。企画は「手話と一緒に楽しむ落語」こういう時、手に職?があって良かったと思います。

温かい心に感謝
心が折れて、活動を何もしようともしない私に、深川9条のお仲間が、カンパや後援会費を振り込んでくれたりしました。芸人9条の会にいらしてくださったことのあるお坊さんから現金を送っていただきました。アマビエのキャンディやコーヒーを送ってくださったり、突然ステイホーム見舞いのお菓子が送られてきたり、皆さん私のことを思い出してくださっているんだなあと嬉しい限りです。
ずっと、月に2回か3回お仕事させていただいていた着物屋さん【福服】の社長が自粛給料補助金を下さり、6月は週2回来て良いよと言ってくれました。お店も決して楽な状態ではないのに、本当にありがたいことです。
社長は新宿の落語教室「福々亭」も主催、私への謝礼形態をしっかり決めてくれていたので、今回の件でもだいぶ救われました。そして何よりも、動画やzoomでお稽古しようとする生徒さんのやる気や明るさ、パワーに励まされました。
今は再開して生のお稽古ができて嬉しいです。千歳烏山や横浜の生のお稽古も早く再開出来るようにと願っています。

変わった冷蔵庫
 皆さん、いかがでしょう、次々と自炊しなくてはならない事、自分の分だけでこんなに面倒臭いのだから、これがご家族の分となると本当に大変だろうなと思います。
私は夜の炭水化物抜きを続けているので、三日おきに鍋物です。おかげで野菜の使い切りも充実、恥ずかしながら、我が家の冷蔵庫はなん十年振りかでスカスカになり、冷蔵庫って開けた途端、こんなにヒヤッとするもんなんだと、今更ながら感動しています。
保冷剤だらけだった冷凍庫も若干充実した中身になり、今までどれだけもったいないことをしていたのかと、反省しつつ生活しています。

菊千代日々徒然/1

あれよ、あれよという間に
2020年が明けて、元旦、今年の抱負は?なんて考えているときに、まさか、こんなことが起きるなんて、こんな時代が来るなんてと思っていた人はいたのでしょうか。
今年は災害と、ウイルスが問題になるって聞いていたから、食料とか備蓄してたよという友人が一人いますが、私はそんなこと、思いもしませんでした。1月下旬から話題になっていたダイヤモンドプリンセスのニュースも、他人事のように受け止めていたし、コロナ流行に気をつけなきゃという風潮はありましたが、2月1日・2日と初めて参加した掛川花鳥園での鳥フェスには、マスク姿の人などほとんどいませんでした。
3日の湯島天神の豆まきは、やっぱり子供連れは少ないねえなんて言いながらも、いつも通り盛り上がっていました。
2月9日の千歳烏山でのご近所落語会も盛況に終わり、11日に四谷のココナッツというお店で行われた常連のお客様の特別なお祝い会で落語をやらせていただき、その時にいらした方が「友達がダイヤモンドに乗っててさあ、降りられないんだよ」なんて言うお話をなさっていました。
14日には旭川刑務所で訪問落語、夜は増毛というところの焼肉屋さんで落語会「ちょっとお客さんが少ないよ、でも旭川はまだ影響ないからねえ」なんて話をしていました。
16日には6月乗船予定だったピースボートのために申請していたパスポートを受け取りに有楽町交通会館へ、道産子ショップではコロッケ食べる人が並んでいたし、マスク姿は少なかったような気がします。東京拘置所での話し方教室の授業も、新宿や千歳烏山での落語教室も行っているその頃、2月24日のお仕事が初めてキャンセルになりました。
年配の方々の集まりなので用心にという事でした。それからピースボート乗船も含めて、福井刑務所の訪問落語、3月3日の落語会、福島の原発集会、異業種交流会、九州のお寺、追分温泉、憲法集会、9条の会などもバタバタと中止になり、自主企画の池袋演芸場や日本橋亭の落語会も中止にせざるを得なくなりました。

情けないもので、噺家として収入が無くなるということは、古今亭菊千代としての価値が無いような気になりました。だから、今までのように嫌なこと駄目なことに対してものを言う勇気がなくなってしまいました。翼を折られた鳥なのかくちばしを折られた鳥なのか、とにかく、生活の窮地から脱するまではと、国会前でのアピールなどもスピーチ原稿のみで失礼しました。とっても情けない話です。文字通り、落語なんて本当に人の心が平穏でなければ笑ってもらえないのだなあ、まして人が集まれないという、生のお客様の前で出来ないということが致命傷なのです。

落語協会からは持続化給付金の事や「アートにエールを」という東京都のアーティストに対する救済企画の情報が入り、何でもやってみるべきと挑戦する気になったのは4月の中旬からです。